動物病院奈良について ・・・ 当院の考え方

唐突ですが、動物病院の未来は明るいと思いますか？

「犬・猫の飼育頭数が減少している」
「動物病院の数は年々増加している」
「動物も高齢化が進んでいる」
「飼主様も高齢化で2頭目を飼わないことも」
「飼主様からの訴訟リスクが増えてきている」

これらは、当院に実習にお越しになった学生さんから聞いた、動物病院業界への不安の声です。

最近は学会や学校の授業で経営を学ぶ学生さんも増え、色々な情報を聞くことが増えてきたからでしょう。
私が獣医師として臨床現場に立った当時では考えられないほどの情報収集ぶりに驚きます。

さて、この業界の未来はどうなるのでしょうか？
はっきり申し上げて、分かりません。（何だそれ・・・と思った方ごめんなさい）

ただ、確実に申し上げられることは、私たちは獣医療従事者として医療技術を磨き続ける、それを継続できれば、動物の未来を創ることができると考えています。

将来に不安になって手を止めて悩む前に、手を動かし未来を創っていくことを真剣に愚直に考えられる、そういった人が集まる病院でありたいと考えています。

そして最終的には当院が１００年続く動物病院になれたらいいなと。この奈良には１００年を続く企業・組織がたくさんあります。
（法隆寺の金剛組は西暦５７８年創業、１４００年以上続く組織もあります）

当院もこの地で長く続く病院作りを目指したい。
１００年先に私はこの世にはいないでしょう。だからこそ、その夢を叶えるためには１人ではできません。
後継を育て、人から人へ伝承する、歴史をかけて誰かに引き継いでいく動物病院を作りたいと思います。そのために、皆さんの力を貸してください。

獣医師としての本分は当然ですが獣医療です。
基本的な知識は必要ですが、知識だけでは病気は治療できません。

同じ病気でも1頭1頭の状態、飼主様の生活環境など様々な要因で治療方針は異なります。
また、獣医師が1人で治療を行うことはできず、院内の他のスタッフ、飼主様と協力しての治療となります。
そのため、人を動かすためのコミュニケーション能力も必要になります。

そして誰しもが最初から上手く診察が出来るわけでもありません。
失敗し、後悔し、時には叱られ、悔しい思いをし、それを乗り越えて身に着けられることが沢山あります。

この経験を得るためには、座学だけではなく現場での実践を積み重ねることが何よりも重要となります。
当院では、基本的な知識習得、最新の知識習得の機会はもちろん提供しますが、この実践経験を積むことを何よりも重要視しています。

獣医療の仕事に際限はありません。命を預かる仕事と患者満足度を高めるサービスの両方を求められるとてもハードな仕事です。頭脳労働でもありますが、肉体労働でもあります。

そのため、獣医師の中にはワーカホリックな方や、精神的に追い詰められてしまっている方もいます。
私は良い仕事を行うためには、心の健康が何よりも大切であると考えています。
自分が病んでいては、病気の動物を治すことは難しいでしょう。

心の健康のためには、しっかりと休むこと、趣味の時間を持てること、同じ価値観を持つ仲間が集まる病院作りを行うこと、などが大切であると考えています。

当院は２種類の診療時間帯で診察を行っていますので、曜日によっては早く帰って趣味の時間や家族との時間に充てられるようにしています。院長である私も家族との時間を大切にしている1人です。ですので安心して休んでください。

また同じ価値観を持つ仲間が集まれるよう、独自の採用基準である「奈良ＳＥＶＥＮ」というものも行っています。
せっかく働くのであれば楽しく働けるようにしたいですね。